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早死にする、うるわしき日本人              [天成人後]


 ロウソクに火をつけ線香をたき、横浜市緑区の方向に向けて手を合わせる。 遺影よろしくニュース画像の村田奈津江さんの生前の姿をポーズにして、涙が止まらなくなる。 

 彼女が助けた七十四歳の男性はこの時踏切で、一体何をしていたのか。 一部の報道では男性は踏切から少し入り込み、まるで自殺を企図するように線路上に寝ていたとも伝わる。 地上波のTVに限って言えば、この命を助けられた男性についてはほとんど全く伝わって来ない。

 数年前、東武東上線のときわ台駅踏切で女性を助け死亡した警察官が居た。 警察、消防、自衛隊といった、命を張って職務に当たる公務員もいるのだと、見直した。  そして今度の村田さんは市井の民で、しかも女性である。 ときわ台の女性にしろ今回の七十四歳の男性にしろ、本人のコメントはおろか、その後の事も一切伝わって来ない。 個人情報を明らかにしろなどと2チャンネルの様な事を言うつもりは毛頭ないが、文書で何らかの感謝の言葉が表現できないのかと、不快に思う。 

 マスコミバリューは高いらしく連日報道され、政府は早々に表彰をしたりの対応をした。 反対するものではないが、国民栄誉賞のように、政権が おいしい と判断したのではないか。  市井の民の事など、実のところ二の次三の次にしか考えていないとしか思えない政府。  オリンピックにしろ、おいしいところには 聡い。

 先の大戦を思う。 戦場ではこの村田奈津江さんのような人物から真っ先に亡くなっていったのではないかという疑念が、消えない。 であるならば、日本の尊い貴重な遺伝子が大量に失われ、また戦後は希にそれが発現すれば出世コースから外れ、社会の外郭に追いやられているのではないかと思う。 


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