SSブログ

しょうがない              [近藤 武]


 1980 年代、アメリカ人のモデルの娘と知り合う機会があった。 日本に、言ってみれば出稼ぎに来ているモデルで、西麻布あたりに住んでいた。 彼女が、その何か月かの滞在でマネージャーの日本人女性に訊いても分からない、「 しょうがない 」 とはどういう意味かと問うた。 やや斜め上を向き ひじから開きながら 手のひらを上に向け “big deal” と言う事かと。 今にも増しての英語力不足で、答えかねた。

 言語はその民族のメンタリティーを表すから、しょうがない はアメリカ人には不可解だったのだろう。 しょうがないと一言つぶやけば、「水に流して」次に行ける。 日本人は、自然に対してだけは「しょうがない」と言い、その他の事にはしょうがないと言わない。 こうとでも彼女に言えれば良かったろうが、日本人は今もその時も「ながいものにはまかれろ」で説明がつかない。 相手は、自然のする事にも しょうがない と言いたくはない国で生まれ育っている。

 お偉い人は、霞が関か永田町の一室に 「しょうがないカウンター」 というのがあって、それを見ながら政治を行っているとギャグをかましてくれた。 日本中の人々がしょうがないとつぶやけばそのつど数字が上がっていく仕組みで、上がれば上がるほど彼らは機嫌がいい。 日本人はなにかにつけ口癖のように、 「しょうがない」 と言う。


追記:
同じ八十年代、ハワイ、L.A. 、とアメリカに行ったが、肥満の女性が多く(もちろん男性も)、きれいな白人女性は日本の青山や六本木、原宿あたりの方がよほど出くわした。 その娘とは、James Taylor (ジェイムステイラー)のところの Russ Kunkel (ラスカンケル)は、レコーディングで叩きっきりの とっ払 いなのか、印税契約しているかなどという話をした。 ウエスタンブーツのカントリールックが似合う、抜群の若き白人女性だった。 しょうがない。


参照:
≪ 08/7/1(火) 午前 3:46 [ お偉い人 ] ≫
http://oeraihito.blog.so-net.ne.jp/2009-07-21-5
≪ 07/7/7(土) 午前 0:02 [ お偉い人 ] ≫
http://oeraihito.blog.so-net.ne.jp/2009-07-05-5


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。