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理想と現実              [文蔵]


 
 理想とは、ずっと真上を向いてるようなもので。 おちおち近所も歩けない。 現実とは真下を見るようなもので、こればかりでは近所の外へは出られない。 まっすぐ前を見て、しばしば真上を見、足元にも注意を払う。 これがこの世の我々のあり方である。 

 水が高きから低きに流れるがごとく、しょうがない と思う心は。 良貨を駆逐する悪貨のような、根源的な強さを持つ。 



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