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アポロ計画というモニュメント           [文化の日]



 地球儀があれば日本列島を見てほしい。 東京・大阪間はごく近いと思うが、その分を縦にした高さが、アポロ以外での我々が 宇宙 と呼ぶ領域だ。 有人宇宙飛行の話をしている。

 計算し易くするために、仮に地球の直径を一万kmとする。 国際宇宙ステーションが地球を周回する軌道は高度350km。 直径10cmの円を描きこれを地球とすると、わずか3.5mm外側を飛んでいるに過ぎない。 もちろんこれを行うだけでも驚異的な事だ。 代々積み重ねが効く自然科学、科学テクノロジーが指数関数的に爆発的な成果を挙げ始めなくては達成できない。

 さて、次にその10cmの地球に対し月はどこに位置するかといえば、38万kmつまり3.8m先。 部屋の端までいってしまう。 そこに到達し、軟着陸し。 音声のみならず動画映像の生中継を行い旗を立てて、土壌を持って生還する。 これが1969年のアポロ11号だった。 
 月面着陸は以後1972年まで、6回おこなわれた。 1968年からの月周回のみの飛行を合わせても8回。 スイングバイで帰ってきたあの13号を合わせても9回。 これらだけが全く別物だったのだ。 ガガーリンから山崎さんまで、このアポロの約4年間を除いた50年。 1972年、最後のアポロ17号以来 約40年。 人類にとっての宇宙とは地球の周りを皮一枚、なのである。 

 現在の有人飛行が取るに足らないなどと言う気は毛頭ない。 ただ、あのアポロ計画というものがどれだけ途方もない事であったかを言いたい。
 1969年は同時に米がベトナムで転機を向かえた時期であり、英米のロックミュージックにとっては空前絶後といっていい特別な年だった。 アポロ計画と The Beatles , King Crimson , Led Zeppelin のその時代を考えると、とめどなく興味深い。

 人類文明が巨大な曲がり角を曲がったととらえている。



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