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勝てない戦争                [文化の日]



 米ソ対立の冷戦構造とは、核保有の競争だった。一発で広島の何千倍の威力を持つ水爆まで作られた。 ロケット・ミサイルの進歩と合わさって、初の地球滅亡シナリオは全面核戦争によるものだった。 いまだに地球を何個も破壊できるだけの核兵器が存在しているだろう。

 核兵器は実際にはもう使えない兵器になっている。第二次大戦後、何度も世界ではその危機があったが、報復で歯止めが効かなくなるので再使用には至らなかった。
 いま現在、核爆弾を人に向かって落下させる国があれば、 その国は完全に孤立してやがて無くなるだろうし、そうなるべきだ。

 ベトナムでアメリカは勝てなかった。象徴的だと思う。核兵器は使用検討までいったが使えなかった。通常兵器でも質・量ともに圧倒的に勝っていたが、アメリカは勝てなかった。
 この事実は、「核兵器は使えない」という事だけでなく、最早 「解決の最終手段として武力は使えない」 という事を意味しているように感じられる。



人口密集地に 2発              [文化の日]



 E=mc²  このアインシュタインによって導き出された数式の持つ驚異的な本質が、初めて形になったのが 【原爆】 だった。 物の重さ(質量)がエネルギーに置き換わると言う。何と、掛ける光速の二乗という膨大なエネルギーだ。

 1907年に発表されたこの式の意味が、38年後の1945年に広島・長崎で明らかになった。驚くべき早さだと思う。 もちろん、アインシュタインは原爆を作りたくてこの E=mc² にたどり着いた訳ではない。科学者の純粋な求道精神だ。 ただ、ナチスが開発している事を知りアメリカに先に開発するよう求めたらしい。ナチスが世界でただ一国の核保有国になっていたとしたら、、、それは恐ろしい話だ。

 日の出の勢いのアメリカは、1945年7月遂に核実験を成功させ、ものの3週間で躊躇なく実戦で投下してしまった。ナチスはもうこの世になく、日本は瀕死の状態で原爆製造などあり得ないのにだ。 持っている事だけで大変な意味がある核兵器だが、唯一の保有国になったと殆ど同時に使ってしまった。 この勇み足ぶりは何だろう。

 向こうの理由も色々あるようだ。よく聞かれるのは「戦争終結を早めた」という言葉。 では一般の人々が暮らす人口密集地に狙って落とした理由は何だろう? 人気のない山を一つ消す位で充分ではなかったのか。 そして近年よく言われるのは、中2日で立て続けに長崎に落としたのは何故なのかという事。ウラン型とプルトニウム型で一つずつ使ってみたという話も聞く。

 直前まであのヒトラー相手に戦い、旧日本軍の牛耳る日本の本土決戦を前にすれば、まともな神経で居られなかった事も理解できる。 アメリカが今まともな神経なのであればその証に、被爆者に心からのお詫びをして欲しい。



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