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内閣人事局 ・ 気違いに刃物              [おかしな帝王学]


 2009年の政権交代前、税金の無駄遣いが大いに話題になった。その中心になったのが官僚機構の問題で、このブログでも厳しく批判した。自民党ではこの状況を打開できないだろうと、民主党政権に期待した。その目玉となったのが局長級以上の幹部人事を政治が掌握する、まさに今話題の内閣人事局である。ご存知のように民主党政権は、人事局創設はおろか、政権運営自体が官僚の強烈な抵抗にあって短命に終わった。

 その後、かまびすしく言われていた天下りや渡り、それに伴う税金の無駄遣いに対する批判が不思議と下火になってしまった。ところがそれを忘れた頃の2014年、あろうことか安倍政権のもと内閣人事局が設置された。この最低の政権は税の無駄遣いを監視するツールとしてではなく、自分たちのやりたい放題を通すための道具としてこれを使いだした。官僚の既得権には手を付けず、意のままに動いた者には出世で報いる。逆らった者には地獄を見せる。違うか?

 幹部になれば出世、つまり人事が最大の関心事になるという霞が関官僚はこれでイチコロだった。「官僚主導を脱し国民の選んだ政治主導で」「官僚は選べないが政治家は国民が選ぶのだから」とは、少々無邪気に過ぎた。気違いに刃物、といったら言い過ぎと怒られるだろうか? しかしこのようなナチスばりの最低政権が出てくるとは、想定していなかった。このような顛末になり、見通しの甘さを反省している。

 元々の考え方は間違っているとは思わないが、今回のこの大事件を契機に、官邸に人事を好きにさせることに対する歯止めは十分議論してもらいたいと思う。



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