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 未完遂の維新              [才蔵]


 明治維新の際、天皇はどうなっていたのか気になっていた。 実際は、徳川時代の最後に在位した孝明天皇が 慶応二年 (1967) に亡くなっている。 あの明治天皇はそれを受けて、まるで明治維新にあわせるように即位している。 

 攘夷をとなえていたものが開国にまわるなど、明治維新をあまり賛美し過ぎるむきには異論がある。 あの時代のせいいっぱいの事として称賛するのが、穏当だろう。 それほどあの時代、人類は産業革命をもてあましていたし狭い帰属意識しか持ち合わせていなかった。 そして人が徒党を組んだときに生まれるOrganization 格 の最強形、 国 というのが恐ろしく頭のいいガキのように振る舞った。 だから、植民地にしなかった維新の志士たちを、いささかもおとしめるつもりはない。

 ご発病からあっという間に崩御されたという孝明天皇が、自然死だったのかどうかという説までがある。 これがどうであったにせよ その後、日清・日露を経て。 太平洋戦争の敗戦、そして戦後の対米隷属を見ると。 明治維新というのがはなはだ不完全で、いま求められているのは 維新の完遂 なのだと思い至る。 


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