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気分の良さと、幸せ。 うつ病。          [才蔵]


 日本で年間三万人いるという自殺の無視できない原因が、うつ病であるという。 最近、日本人の平均寿命が僅かに下がり。 そこには、年齢と性別で見た場合。 二十代の女性の自殺率が上がった事が大きい、とも聞く。 あなたたちはこの日本を、その美意識で変えていく旗頭である。 

 うつ病は 心の風邪 とも言われ、精神疾患では最も多くの患者を抱える。 なまけ病 などと言われていた時代と比べ、いい時代になったものだとも思う。 症状が社会的に無視できなくなって病名が付き、良くなった時代がその診断範囲を広げる。 太平洋戦争当時、日本にうつ病患者がどれだけいたか知りたいものだ。 

 1980 年前後に、深い話の出来る友人がいた。 彼に 「 幸せ が増えないのなら、 不幸せ を存分にこうむるしかないのではないか。 」 と問うた。 アイスクリームを食べた後にコーラを飲めば、ぬるく感じ 甘さをあまり感じない。 絶対と相対で言えば、相対的にしか物事をとらえられない人の感覚をよく理解したうえで、認めてくれた。 

 かつての自動録音調整機能のマイク内臓ラジカセでライブ演奏など録音した経験のある人なら、リミッター( limiter )の働きを覚えているだろう。 静かなイントロからドラムが入ると、瞬間 音が消える。 自動の電子回路が、あわてて入力( input )のつまみを下げたのだ。 これと同じ事が、人の心の中で日々これ刻々、起こっている。 

 経済が牛耳る、近代科学テクノロジーに支えられた、この現代。 「気分の良さ」 と 「幸せ」 が混同されている事に、問題があるのではないか。


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