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掘り尽くす文明              [天成人後]



 事故の起きたチリの鉱山は、金と銅を手に入れるためのものだと聞く。 中国などの需要増を受けて、さらに条件の悪いところから採掘しているのだと言う。 我々はこの背景にも目を向けなくてはならない。

 金はさすがにそれほどの事はないと思うが、例えば 銅 などは。 人類がこれまで掘り出したもののどれだけが今も利用されているだろう? 《 経済成長 》 http://okashina-teiougaku.blog.so-net.ne.jp/2008-08-04-1 で述べさせてもらった通り、一度 自然界つまり環境から頂いた金属鉱物などは人類社会の中で永遠に回り続けるのが望ましい。 

 以前にアルミニュウムの専門家、それも製錬事業に関わっていた人物に聞いた。 赤道直下でしか採れないという ボーキサイト を大量の電力を使って製錬し、そのどこかの段階でまた大変なエネルギーを使って日本に運び込んでいるアルミと聞くが、「夢の島」 を掘り返してそこから取り出すのとどちらが採算に合うだろうか? 旧・通産省、外務省、大手商社などとも付き合いのあったその人物は、ややあって 「夢の島 だろううな」 と答えた。 
 巨大な資本主義社会の、効率・採算至上でもない、不気味な一面が見えてくる。

  自然界からあくまでむさぼり尽くすように調達し、一方ではまだ小さな図体であった頃のままに 自分らが必要なくなれば、未だに直近経済の理屈 既得権益者の都合のみで大雑把なところだけ再利用し、あとは不遜にも自然界に受け止めてもらおうとする。 この我々の文明のありかたを、もう少し考えたほうがいい。 



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