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明治憲法の亡霊              [天成人後]


 「それぞれの仕事に埋没し、国民一人一人の命が見えなくなって行った将校たち。 その姿勢は海軍あって国家なしと言わざるを得ません。」 NHKの旧日本海軍についての放送における〆のナレーションだ。 
 こうも続ける。 「縦割りのセクショナリズム。 問題を隠蔽する体質。 ムードに流され意見を言えない空気。 責任の曖昧さ。」 そして 「今の社会が抱える問題そのものだ」 と締めくくる。
 
 「海軍」 が 「省庁」 に置き換われば、まさに我々が現在抱える問題そのものだ。 霞ヶ関の問題、省庁あって国家なし。 NHKにどこまでその意識があったか定かではないが、《 官僚機構に終戦を 》 http://okashina-teiougaku.blog.so-net.ne.jp/2009-03-15 で述べさせてもらった我が意を強くする。

 先の大戦は言ってみれば軍部という官僚機構の暴走だった。 敗戦後 GHQ は官僚機構から軍部を切り落とし、その他はそのまま残した。 軍部以外の官僚組織もそれぞれが最大限戦争に加担したと思われるが、占領統治にあたっては温存し使いこなすのが得策とされたようだ。 

 つまり官僚機構は明治維新によって生まれ、明治憲法の下で軍部を牽引役として力をつけ、その限界を露呈する形で国を滅ぼしかけた。 しかし戦後もそのまま占領側のツールとして存続し、戦後10年目から始まる自民党長期政権の下で、またもや暴走を始め今に至る。 国を内側から滅ぼそうとしている。
 思うに組織格( Organization 格 )としての官僚機構は、いまだに明治憲法で示された国民と行政機構とのあり方から抜け出ていないのではないか。 主権在民という現行憲法の精神を叩き込む、圧倒的な民意を受けた新政権誕生が望まれる。




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